フランス滞在の仕上げに、去年行き損なったフォゴンで昼食することにした。フォゴンは洗練されたタパスやパエリヤで評判の店で、サンミッシェル駅からセーヌ川沿いに左岸を少し歩いたところにある。44ユーロのパエリヤ・コースはまずピスタチオのガスパチョと果物ソースの人参で始まり、どちらも微妙に多層的な味が仕込まれ、プレゼンテーションの気配りとあいまって、楽しい食事を予感させる。若い男性給仕の応対も的確で気持ち良い。彼と相談して、シラー、ガルナッチャ、テンペラリーニョなどをベースにしたいくつかのワインからbarbazulというボトルを選んだが、これは申し分ないスペインワインだった。料理はさらに4種のピンチョスが出され、パエリヤには野菜とイカスミの2種類を頼んだ。どれも美味しくいただいたが、それぞれアクセントを利かせた料理となっているところが先日のラシーヌとは好対照という感じだ。タパスそのものはサンセバスチャンのレベルには若干だが届いていないかも知れない。この日のハイライトは全員の心を鷲掴みしたきゅうりのシャーベットだと思う。本当は早めに食事を済ませたら、急いで宿に帰りオランダ戦の後半を観戦するつもりだったが、楽しい食事が終った頃にはサッカーも終わろうとする時刻になっていた。
★★★
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